065 欲欲

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満月が近いてきた

渇いた歯車は外れ
一つ一つがゆっくりと遠くへ離れていく
望めど繋がらず、そしてもう、望まない事を止められない

誰もが満ちることを幸せと呼んでいて
それが恐ろしい、恐ろしい、恐ろしくて、
感情が攫われる

独り言はどこに薄まりもしなかったはずなのに
お返しの菓子を持つ手が伸びてきた
外套で首を絞める風が、
嫌悪の形をした葉を揺らして
時間と現実の音を突きつける
そしてはじめから居もしない馬は真っ二つ
誰に助けを求めようとも
何に追われているのか
走って振り切ろうとしても遅い

それは魔王だから

思わずと思い、
ただ掠めて去ることを待つ

 

 
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