098 不具合修正

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 それは、僕にとっては突然だった

 それは、アイツからすれば突然ではなかったのかもしれない

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 それは数ヶ月前

アイツは、自然に僕の傍にいた

今まではどうしていたんだ?
さあ? 今しか考えていないので僕は知らない
そんな程度の便利な存在、などと表現してしまうと聞こえが悪いのだが、
ただ必要と感じるなら、その時だけは本当にそれで十分なんだと思う


アイツが存在を主張したその日
僕がそれを認識したその日
それから大分長い間、僕達は何処へ行くにも一緒だった

──────────

 それは1週間前

噂を聞いた、正確には偶然耳に入ってしまった
それはあまり良い内容ではなかったのだが

僕は気付いていない振りを続けた

僕が必要とすることが不具合なのだろうか
考えたところで現在が変わる訳ではない
何より、その関係が当たり前過ぎたから

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 それは今日

突然、アイツの言葉は僕の耳に響かず
突然、アイツの存在は僕の必然ではなく
突然、アイツが嫌いになった訳じゃない
突然、ただ昔と同じ関係に戻っただけ

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 それは昨日

それを露店に並べていたなら
現在の僕はどう思うのだろうか

僕は倉庫の一番下にそれをしまった

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 それは幾月
 それは幾年先

きっと僕は新しい相手を見つけて
そいつと一緒なんだろう
そしてまた仕舞うことになるのだろう

 それらは少しづつ、倉庫の上へと登るのだろうか

一番上に辿り着いても、
それ以上、もう何処にも行けないのに

 

 
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