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「えーと…、なんでこんな事に?

 たしか、ヴァルキリー様に言われるがまま、シーフ転職所へ向かい…

 ……」


**********

「自分を転職させてくれるというのはあいつですか?」

*そう、そのいかにも守銭奴っぽい彼女です*

「うわ、よしてください
 自分は"心の中でだけ"ギッタンギッタンに相手を見下すタイプなんです」

*卑屈ですね、うっかり口からこぼれ出そうな顔をしているのに*

「ありえないですね、人生、山も谷も無し がモットーですから、まあとりあえず行ってきます」


「どうも、こんにちは」

 『あれ、どこかで見た気がするね、兄弟でもいるのかい? それとも昔に転職させた奴か?』

「……」


「聞きましたかヴァルキリー様…? Theタメ語って感じですよ
 彼女はずばり美容師ですね、自分はそういったタイプのやつが苦手なんです」

*…そんなにシーフになるのが嫌なのですか?*

「おお、鋭い、はい嫌ですね、自分はもっと明るく朗らかに生きたいんです」

*しかし悪漢、こんな言葉があります*

「ほう」

*神は人々を造りあげたが、人々は農薬を水洗いしてオーガニックに野菜を育てあげた、と*

「……、ふーむ! なんだかやる気が沸いてきました…!」

*そうでしょうそうでしょう、それでは転職しなさい*

「ええ望むところです」


**********

「さあ、これからどうすれば!? なんかテンション上がってきました
 この溢れんばかりの力、プロすべての高級露店に枝を折ってぶつけてやりたい位です」

*いちいちはた迷惑なやる気の表れ方ですね、向いてますよシーフ*

「褒めるよりも早く、今の自分に見合った強大な敵を提示してください」

*そうですね、遠く北西の地に、道を外れたバード達のなれの果てが住み着いた聞きます
 その名をヒルウィンド、というそうで*

「おお、『夢はオリジナルバンドでメジャーになることさ(フリーター38歳)』って感じですね
 ふふん、良いでしょう、自分が現実へと引きずり戻してやります」

*特別にそこまでワープさせてあげましょう、驚くほど一瞬で*



**********


「ああ、そうか、そうでした、というわけで見事、着いて2分でやられたのですね」

*なさけないことです*

「街に戻ったらすぐにワープさせるものだから、10秒間隔でループですね
 現在、それをかれこれ17回ほど繰り返しております」

*痛ましいですね*

「ところで5回目辺りから疑問に思っていたのですが…」

*恋人は募集中ですが、できれば所得の多いお方が好ましいですから*

「いえ、違います、自分が聞きたいのはですね
 確か冒険者は普通、"HPバー"なるものが視覚できるはずなのですが」

*撮影用に外しております、常に*

「仰る意味が理解できませんが、出してください」

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「……」

*満足いただけましたか? もうよろしければ外しますよ*

「いや見えないから死ぬんですって」





 
posted by zusuyo at 00:00 | -01−-25