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「見るのはただ、しかしお金は持ってない、心も満たされない
 では、そこになんの意味があるというのか」

*解っているなら狩りに行けばいいじゃないですか*

「それについても理解していますが、何もしたくない日ってあるじゃないですか」

*センチメンタルですね*

「この気持ち解ってくれますか」

*ではそんな悪漢に小話をひとつ*

「語ってください」

*ある女冒険者が、あからさまな横殴りをして掲示板に晒されました*

「ほうほう」

*晒された彼女は自ら掲示板で謝罪をしたうえで、
 『退席中に息子が勝手に動かしちゃいまして><』と弁解したのです*

「色んな意味で難しいところですね」

*ちなみにその息子、今年で36歳だそうで*

「ヴァルキリー様」

*ええ*

「どういった話なのかさっぱり解りません」





 
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「と、いう夢を見ました」

*いえ、しっかり折れてます、現実から目をそむけないでください*

「掛かったな、そいつはダミーだ」

*単にもう1本用意していただけじゃないですか*

「という訳でこいつを精錬したいと思います」

*折れますよ*

「折れませんから」


「うあ」

*折れました*

「だからダミーですって」





 
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「しかし、モロクはほんとにボロボロですね」

*失礼ですよ悪漢、その瓦礫の家は一見魔王に壊されたかに見えますが、
 運悪く完成時期が崩壊と被ってしまった無名な前衛芸術家の作品です*

「え、そうなんですか」

*ええ、元々はあらがうことの出来ぬ人々の心の移り変わりを表現したそうですが
 何も知らずにここを通るギャラリーは、崩壊事件の恐怖、悲惨さを胸に刻んでいくのです*

「確かに、だが気付くはずがない!」

*これがプロンテラ中央にあれば、また印象や評価が違ったでしょう*

「しかし、崩壊したモロクや、そうでないプロンテラは、彼の作品に含まれるのでしょうか」

*そう、と主張するか否かはともかく、結局は左右されてしまうのです*

「な、なぜなんだ…」

*悪漢…*

「どうして我々はこんな話をしているのでしょうか…」





 
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<<旅人よ…>>

「なっ、ダンジョンが喋った!!」

*終末ですからね*

<<汝に問う… 朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足… さて、この生き物は何か…?>>

「ヴァルキリー様、有名な台詞を言ってますよこいつ」

*はい、実に有名な台詞です*

「しかし、フッ、簡単すぎます」

*珍しく自信満々ですね*

「その答えは… "食事"だ!」

*食事!?*

「自分は昨日の朝、トーストとサラダをニ本の手と一膳の箸を使って食べ、
 昼は定食屋で一膳の箸だけを使用、夜は三つ割れのスプーンでカレーを食べました
 つまり、朝4、昼2、夕3、よって… 答えは"食事"です」

*おお、呆れるほど見事なこじつけです… が、全然生き物じゃないですよそれ*

「いえ間違ってはおりません、なぜなら我々は、
 他の動植物達、つまり生き物を糧にして、命を保っています
 こいつ、スフィンクスは、生きる事の真理を問うたのですよ…」

*おお悪漢……、
 でもそれ、万人に当てはまるとは限りませんが*

「ええ、ですが全ての老人が杖を持つとも限りませんでしょう」

*言われてみればそうですね*



<<……いや、答え知ってるならさ…>>





 
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「これがアヌビスか、旨い、そしてでかい」

*大きさは関係あるのですか?*

「サンシャイン20とかじゃ誰も行かないですよ」

*入場の際もれなく図書券が貰えるとかでしたら*

「うーんそれは行き、ですね」

*それに、昨今は何でも小型化の時代ですよ*

「ですがこのままでは、いつか扱える最適サイズに達した後の発展性に疑問が…」

*ええ、わたしも常々そう考えておりました、
 そしてそれに対するアンサーの一つとして、とあるアイテムの開発を行っているのです*

「おお、さすがヴァルキリー様だ、一体どのようなアイテムなのですか」

*ここに試作品があります、その名もビッグスリムポーション*

「ビッグスリムポーション…!?」

*まず、風の神の力を借りることでスリムポーションの重量を0にまで落としました
 しかしスリムな外観のままでは、いまいちその絶対的な力が伝わり難い、
 そこで大きさを10倍にし、対照的に神の偉大さを際立たせることに成功したのです*

「まさに! 人の子では到達できぬ高みを全身に感じさせる!」

*早速試用してみてください*

「どれどれ……、あ、あれ、でかすぎて飲み辛い、
 というかHPどころかSPにも変化がありませんが、一体何を回復させているのですか」

*寿命です*

「凄いのですけど扱いに困ります」





 
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「思うに、レアアイテムです」

*おお、カードですか*

「万人受けのする呼び方をするとそうなりますね」

*そうでない呼び方をするとどうなるんですか?*

「それはまた別の海物語です」

*意味が解らないです、というか考えてなかったでしょう*

「いやまあ、ところでこれ、落とすモンスターと落とさないモンスターの違いはなんなのでしょう」

*え? そうですね、では役職とか*

「ではってなんですか」

*いいですよ分かりました、絶対役職です*

「どうしてそんな変なとこで譲らないんですか、
 というかそれじゃ、部長や社長がカードを持ってるということになりますが」

*そうとも限らないですよ
 持ってないコボルドリーダーや、持っているひらコボルドだっているんです*

「え、うーん、じゃあ外回りの営業とかでしょうか」

*そんなの知りません*

「うわそれ、つまり一周してどうでもよくなった、みたいな」

*だってアヌビスカード安いですし*





 
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『む……? この感じは……、
 ちょっとそこのオマエ、顔を見せてみろ』

「なんですかあいつ突然」

*きっとラッセンの絵を売りつけてきますよ*

「ああ、知ってます、西洋磁器ってやつですね」

*それはマイセンです*

「スタン」

*それはハンセン、しょうもない掛け合いさせないでください*

「詐欺に遭うまえに場をなごませようと…」

『…オマエは多くの経験を積み重ねてきた冒険者のようだな、
 いい目をしている、オマエのような奴は嫌いではない』

「こ、告白された!」

*ですからそういう手法です、テレビで見ました*

「悪い気はしませんが、いい気もしませんね」

*シチュエーションが悪いです*

「じゃあ、幼馴染の子が親の借金の肩代わりに住み込みで働くことになります
 そして彼女は衣服を差し押さえられたので体操着しか着るものを持ってません」

*めちゃくちゃです、なんですかそれ*

「そして告白してきます」

*してきません*

『……、さて、とくに用件があったわけではないが呼び止めてしまったしな』

「こ、こいつ、今更言い逃れしようだなんて遅いぞ!」

*警察につき出しましょう*

『…いや、クエストウインドウを……』





 
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「なに、船長が現れるだと!?」

*どこに食いついたのでしょう*

「いえ実は自分、海賊王を目指しておりまして、
 …船と聞いては引き下がるわけにいきません」

*若いうちは何にでも挑戦するべきですね*

「話が早い、船内に乗り込みましょう」


**********

「うああああフジツボがぁああああ!」

*ペノメナですよ*

「ひざで猛繁殖するぞおおおおお!」

*人体内での繁殖は医学的にありえないそうです*

「なら怖くもなんともないですね」

*悪漢、膝で繁殖しない"ペノメナ"の攻撃で死にかけてますよ*


「な、なんとか2階に辿り着きました」

*船長の現れるという部屋まであと少しですね*

「が… ぐあッ…!!」

*いきなりどうしましたか!?*

「な… 長い船旅がたたったのか、壊血病に掛かってしまったようだ…」

*船内に入ってから10分も経ってません*

「そして食料をネズミに食い荒らされたうえに、オスマンの船隊が攻撃を仕掛けてきた…」

*わたしには見えません*

「やっぱり無理です、ガレオン級の船が完成するまで待ちましょう」

*あ、居ましたよ目の前です、水吸い上げて威嚇してます*

「仕方がない食らえ! キャロネード砲!」



彼らの航海日誌はそこで終わっている





 
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「ウォーターボールLv10です」

*たまにはチェイサーらしいこともするんですね*

「ええ、"盗めるものは金を払ってでも盗みたい" を掲げているので」

*しかしどこで使うのでしょう*

「そうですね、アビスレイク1階とか」

*悪漢のDEX値では、1匹倒す間に5匹寄ってきますね*

「男は不器用な位がかっこいいんですよ」

*ターンアンデットに戻してピラミッドダンジョンへ行きましょうよ*

「そ、そうか! これでアヌビスを倒せばいい!」

*どこに水場があるんですか*

「うーむ、言われてみれば確かに、
 ではピラミッド前の水場で、アヌビスが外に出てくる瞬間を待ち伏せましょう」

*はいはい、わかりました*


**********

「……」

*出て来ましたか?*

「静かに! 音を立てると警戒されるでしょう!」

*珍しい鳥かなにかじゃあるまいし*

「…やはり夜が更けるまでじっくり待つべきか」

*それならプパでも叩いてたほうが生産的ですよ*

「というか、夜って来るんですか」





 
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「教範50のバーゲンセールでもやってるんでしょうか、ははは癌畜どもめ」

*というか、これいつの話ですか*

「よしてくださいヴァルキリー様、そんな難しい話」

*すみません、染色が認められたのです*

「色々と唐突だ」

*悪漢も個をアピールする良い機会じゃないですか?*

「良いんです、自分は群集ですよ」

*今日も控えめですね*

「だって見てください、このポテトチップス(Wコンソメ)を」

*胃がもたれそうです*

「いえそういう話ではありません、とにかく見てください
 個になったが最後、どんな形、大きさだとしても、"ポテトチップ"なんです…」

*寂しげですね*

「解ってくれますか」

*しかし悪漢、このチキンナゲットはどうなりますか?
 数ピースで構成されながらも"チキンナゲッツ"とはされませんが

「近年… 集団生活に身をおきながらも孤独を感じてしまう、そんな若者が増えている
 チキンナゲットは警告します、あえて"ナゲッツ"を名乗らずに」

*ええ、その問題については気付いておりました
 しかし、そんな中、前向きなメッセージを込めた商品を開発してみたのです*

「これは… からあげクン…? い、いや違う…!」

*ええ、それこそが私の希望、その名も、"からあげタチ"です*

「か、からあげタチ!?」

*税込み580円*

「たけえ…」





 
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「はぁはぁ…… 長きにわたる修行を終え、ついにLv90になったぞ…」

*そんな無理に説明入れなくても*

「というかですね、
 唯一魔葱らしく輝いた狭間でのグランドクロス狩りが一切語られないだなんて」

*それについては残念でしたね、
 リヒタルゼンの宿からポタを出し続けたハイプリの存在が色々とネックです*

「あいつはサブPCですよ」

*それはどういった存在なのでしょう*

「ポタを出し、ヒールや支援を掛けます」

*誰がですか?*

「そのサブPCがです」

*何ゆえに*

「え、 …自分が必要としているからでしょうか?」

*必要ならばサブPCは何でもするのですか?*

「だって、サブPCだし…」

*そんな理由がありますか*

「溢れた願望が突然に具現化独立した存在、とかじゃだめですかね」

*そういうのは古い時代のギャルゲーでしょう*

「おお、ヴァルキリー様もギャルゲーなんて言葉使うんですね」

*言いますよ、あとキムタクとか*

「ルーンミッドガッツ」

*ええ*





 
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